なぜ、生きる?

悩み、苦しみ、生きづらさを抱える皆さんと共に 移住や転職、不登校、大好きな本についても綴っていきます。日常のなかでのふとした学びや気付き、ココロの栄養のキッカケになれれば幸いです 

ノラネコ出張(出向?)編 @長岡 その2

 

準備にかけられる時間はたっぷりあった、というよりありすぎた。

僕らが担当するのは交差点、測定は対角に陣取り、向かいの2路線から来る車の進行方向(直進、右折、左折)と車種的には大型と小型を調査する。

 

常時2人で測定し交代要員含め3人でローテーションを組んで、2時間測定1時間休憩のスケジュールだった。

 

歩行者の邪魔をしない場所にイスとカラーコーンをセット、実際の測定時には反射材つきのチョッキと腕章を巻くというルール。

 

本番になってから慌てるのは避けたかったので、少し予行演習をしてみる。

 

使うのは5連のカウンター3つ、信号が変わるごとに、向かいの2つの道路からの

進行方向と車種をカウンターに刻んでいく。

 

少しして気付く、これは一種の反応のゲームだ。

 

ゲームセンターとかにあるじゃないですか、「赤上げて、白さげて、赤上げないで、白さげる」みたいなやつヤツ、アレですよ、正にアレ。

 

正確に反応するのに(この場合はカウンターですが)自分が頭と体をどう使うのか、

普段使っていない脳の部位を使う感じがして、ある意味新鮮だった。

 

業務の範囲を飛び越えてこの行為は、精神の檻に自ら閉じこもっているウツの気のある方や、年配の人のボケ防止にも活かせるのでは…

 

なんて、不埒(?)な事も思ってしまった。

 

暑かったけど、うまく日陰に逃げて、巡回に来た担当者の方と世間話をしたり、

どういうワケか見知らぬ地元の方からアイスを奢ってもらったりしている内に日も暮れて、業務スタート。

予行演習はたっぷりやっておいたから、慌てる事はなかったが、ここだけの話ほんのチョットだけミスもしてしまった。

 

その約一時間後、花火大会がスタート。夏の夜空に響く轟音、遠目からでも見える花火はなかなかの迫力だった(待機時間中「私はここに仕事をしに来たのであって花火は二の次です」なんて嘯いてみたもののやっぱり気になる)。

 

担当者との世間話でこの街はこの花火大会に基づき、道路の整備をふくめ「まちづくり」をしていてこの交通量調査もその一環であること、そして今から78年前に空襲で命を落とした市井の方々の慰霊、鎮魂の意味がある事を聞いていたから、また違う見方もできた。

 

夜も更けていき、帰りの車が増えていく、インターに向う乗用車、そしてバスの赤いテールランプが連なっていく。時間によってかなり車の流れが変わる。

 

イスに座りっぱなしの仕事だったけど、けっこう忙しくて時間の経つのが早かった。

 

そして花火大会も終わり、日付が変わる頃でも、県外ナンバーの車で僕達のオアシスもごった返していた。

学生っぽい連中も駐車場近辺でたむろしていて、ネエちゃん達の服装もかなり、露出が多めだった。

「ひょっとして、この後こいつら…」みたいな妄想も膨らむ。

 

さすがに25時になると、めっきり車の数も減った。こうなると眠気との勝負だ。

そして26時、業務終了。書類に記入漏れが無い事を確認し、素早く撤収してバスに乗り込んだ。

 

4時間後には富山に帰れる、日本三大花火大会は味わえたけど…やたら拘束時間が長かったから、お金も結構使ってしまった。

 

けど、交通量の変化そして調査は、その背景にある要因を俯瞰して考え、紐解いてみるとかなり興味深い。末端のスタッフとしてだけど、それを今回少しだけ味わえた。

 

僕達の乗ったバスはスッタフ達を全て収容した後、高速に乗り、一路南西に向かう。

少しだけ微睡む事ができたのは、1〜2時間だった。