なぜ、生きる?

悩み、苦しみ、生きづらさを抱える皆さんと共に 移住や転職、不登校、大好きな本についても綴っていきます。日常のなかでのふとした学びや気付き、ココロの栄養のキッカケになれれば幸いです 

ノラネコ、絶賛Wワークチャレンジ 検定編その2

支給されたお弁当です。

 

本来は時間ごとに色分けされたブロックが、切り替わる休憩時間にしか部屋を出ない

面接官が血相を変えて面接室から出てきた。

 

「これ、さっきの受験者が忘れていったわ」、僕は受験票を手渡された

「あちゃ〜やったか」なんて一瞬思うも、誘導担当の同僚に

事情を説明し本部に持っていってうまく取り計らってもらうようお願いする。

「いや、僕にいわれても」

なんて反論されたが、現場から離れられない旨を説明し、なんとか受け取ってくれた。

 

検定は今回の面接で最後だし、連絡先等は控えてあるはずだからなんとかなるだろう

とは思いつつも、イヤな感覚は少しだけ残る。

マニュアルを読み返すと小さい字で「受験票以外のものは、なるべくしまうように

促す」なんて書いてあった…。

 

正午の少し前に受験者用の控えにならべた椅子が空になった。

誘導担当の同僚に確認をとった。「もう昼ですか?」

「らしいですね。」という返事、

その旨を面接官にも伝え、「運営本部」に戻ると、ダンボールに入った

昼食とお茶が用意してあった。

 

今までの自分なら、この弁当をこんなにありがたくは感じなかっただろう

深いガーターに落ち込み、辛うじてそこから抜け出したからこそ、

ものの見方が完全に変化した。そんな自分にも気が付けた。

 

弁当を食べながら、「どうっだった?」なんて同僚とも業務関連のあれこれを話した、

今までお互いに見ず知らずの人だったのに不思議な連帯感が生まれている。

 

灰皿を求め近くのコンビニまで数分歩き2本だけふかした後、「運営本部」に戻る。

午後からは受験級が変わったり、新たな確認事項もあるので、ひと通り確認した後、

12時45分に主戦場へ舞い戻る。

 

慣れたのもあって、午後の部は何事もなく極めて平穏無事に事が進み

予定よりかなり早く検定の受験者が途切れた。

 

「運営本部」に戻りしばらく待機する。

「この検定11月にもあるけど、もし募集してたら、またやります?」

「う〜ん、でもこの経験て主催者側にも貴重だよね」なんて話をした。

 

初めてだったり、慣れてない人間をかき集めてこれだけのオペレーション

をこなすのに、マニュアルは相当考えられて作成されている。

 

僕達みたいな末端の検定補助として、

これだけの業務をこなすのも、慣れるまではかなり大変だったが、

それを担当したり、責任者という役割をこなす方々もかなり大変なのだろう…。

 

最終的な確認作業を終え、16時15分に解散となった。

書式に名前を記入し、ハンコを押して、日払い分の¥7,500が入った封筒をゲット。

ああ、ありがたい

 

少し名残り惜しかったが、「縁があれば、いつかまた、どこかで会いましょう」と

少しだけ親しくなった何人かの同僚に言い残し、僕はその場をそそくさと去った。

 

僕は知っている、その場での「不思議な連帯感」

は「仮初め」だからこそ生まれる。

ただ「その場」が一度解散してしまえば、それぞれの日常に戻れば、

あっけなくそれが雲散霧消してしまう事を。

そして、偶然の巡り合わせによっては…何食わぬ顔で再び復活する事も。

 

スーツを着ての仕事はガテン系の自分としては新鮮だったし、

経験値もかなりあがった。

固定化されたヒエラルキーや変な上下関係のない、見知らぬ人と声を掛け合い、

協力しあいながらの仕事は初夏の清涼な風のような気分を僕に運んできてくれた。

 

今まで、転職を繰り返し(殆ど正社員)たけどダブルワークをするなんて

考えもしなかった。

 

色々なありがたさを思い知り、この経験がいつか信じられないような価値を持ち、

いつか自身の人生の役に立つために、

僕はこんな回り道をしているのだろうか…