52才妻子持ち、転職☓☓回、未だに無職… どうする、俺? #2 ー運命の日ー
運命の日そしてビル・バックナー
少しだけ時間をさかのぼります。
その日の朝、体調(いえメンタル)が悪いのは
薄々わかっていました。
それが人前でもハッキリした時上司に言われました。
「今日はもう帰られ」
あ〜あ、二回目か またやっちまった
あまり職場の仲間に馴染めなかった僕を
励ますようにイジってくれたくれた人もいたけど
そういえば以前にもこんな事あったっけ、
そんなに長くはなかったけど少しだけ見慣れた
職場の景色が自分の中を通り過ぎてゆく
たぶん、「この場所ともこれまでだな」
確信めいた予感が頭をよぎる
家の近くにある馴染みの桜の樹の下、
必死で自分を慰め、社会の一員そして
「父」、「夫」という属性の中になんとか
押し戻そうともがいてみた。
16時過ぎに明日の仕事の件で上司から連絡
があった。この職場で三日目に同じだった人だ
でも徒に時がすぎてゆくだけ、18時過ぎ
何食わぬ顔を必死で保ち家に帰る。
夕食は部屋に持ち込み、自身の精神の再生を試みる。